では収録内容の詳細を

Extreme Fueds : Dreamer vs. Lee
(DVD-R) (約1時間58分収録)
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
怒涛のリリース・ラッシュでワシらECWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、96年の春から初夏に渡ってECWマットを舞
台に繰り広げられたトミー・ドリーマーとブライアン・リーによる抗争劇を
手堅く(いや、適当に?)編集したDVD−R。これ、定期放送からの映
像や『RF-VIDEO』十八番のファン・カム映像が多数収録されていて、そ
の上に両選手の脇を固める助演陣も充実しており、なかなか楽しめる内
容に仕上がっておりますんや。
尚、ワシはこのDVD−Rを大阪梅田のイグニッション・レコードさんで2,
800円にて購入しました。別にイグニッション・レコードさんに義理立てす
るつもりはないけど、米国から通販で購入すると送料込み22ドル必要と
なるし、おまけに最近の『RF-VIDEO』はビジネスが適当(元々海賊もの
のショップなんやから、必要以上に期待するこちらも悪いけど)やから、
海外通販に絡む諸々の不安材料も払拭出来ての2,800円ってのは非
常に良心的ではないやろか。ではでは早速レビューへと...。

【このDVD−Rを百倍楽しむために】
  特に事前の予習なんてしなくっても十二分に楽しめるDVD−Rなんや
 けど、当時のドリーマーを巡る『エクストリーム・ソープ・オペラ』を頭の片
 隅に置いていただけると、このDVD−Rが百倍(ワシも大袈裟やな)楽
 しめると思われます...。
  さて当時のドリーマーなんやけど、宿敵レイヴェンとの何時果てるとも
 ない抗争の中に身を置いておりました。で、96年1月5日にペンシルベ
 ニア州はフィラデルフィアのECWアリーナにおいて開催された新年第1
 弾の定期戦『House Party '96』において大事件が勃発。なんとレイヴェ
 ンのガール・フレンドであったはずのビューラ嬢がリングの上でいきなり
 「ワタシ、妊娠しちゃったの」と宣言。「エッ、俺の子?」とレイヴェンの子
 分であったリチャーズ君がボケをかます暇もなく、レイヴェンがリングに
 現れ「あれだけ避妊には注意しろって言ったやろ」って詰め寄ると、あろ
 う事かビューラ嬢はお腹の子の種の持ち主を、レイヴェンとは犬猿の仲
 であるトミー・ドリーマーだと衝撃の激白。
 ガール・フレンドを抗争相手に寝取られたばかりか、妊娠までさせられ
 たとなると、レイヴェンの怒りはドリーマー自身よりもドリーマーの股間
 に鎮座される『伝家の宝刀』に一点集中で向いてしまって......。
 以降、頭に血が上ってしまったレイヴェンは、リチャーズ君ら軍団構成
 員や、金で雇った用心棒のブルース兄弟(ドン&ロンの巨漢双子コンビ
 :剛軍団などで来日経験有り)らを手駒に、ドリーマーの『伝家の宝刀』
 潰しを目標に、日々あれやこれやと暗躍する事となったんですワ。

@Raven (w/Kimona Wanalaya & Stevie Richards
 & Blue Meanie) & Bruise Brothers vs.
 Tommy Dreamer (w/Beulah) & Sandman & Shane Douglas
  96年3月30日、ECWアリーナにおいて開催された定期戦より収録
 された一戦。まずは頼りにならない軍団構成員を引き連れてリング上
 にレイヴェンが姿を現します。けどレイヴェン、何やら足を負傷している
 様子で、お抱えのお医者様によると、レイヴェンはアチコチ傷だらけで
 数え切れない程の針数の縫合手術を受けたばかり。とてもやないです
 が試合なんて出来ないとの事。「エェーッ、ホンマでっか?」なんてスタ
 イルス氏が突っ込み、これに追い撃ちを掛ける様にサンドマンもあれこ
 れと注文を付けていると、「やかましいワ、これ以上四の五の言うな!」
 と巨漢双子コンビのブルース兄弟がサンドマンを襲い、試合は開始さ
 れました。で、終盤ドリーマーがレイヴェンを足四の字に捕らえたところ
 で、ブルース兄弟にも引けをとらない超大型のブライアン・リーが乱入
 勿論リーの狙いはドリーマーで、ここに両者の遺恨劇は華々しく幕開き
 となったんですワ。あ、リーの乱入の際に実況のスタイルス氏が「アッ、
 アンダー...、いやブライアン・リーです!」って言いよるんです。
 実はリーはWWF在籍時に、あのアンダーテイカーのニセものキャラを
 好演しておりまして、これをネタにスタイルス氏が超ナイスなボケをかま
 しよったんですな。尚、アンダーテイカー対ニセものアンダーテイカーの
 激突はDVD『HE BURIES THEM ALIVE』に収録されているので、興味
 がおありの方はどうぞご覧になって下さい。
 また以降紹介する各試合(特にD以降のファン・カム映像)では、お客
 がリーの事を“テイカー”と呼ぶ場面が何度も確認出来るはずでっせ。
ATommy Dreamer vs. Brian Lee
  ECWアリーナにて96年4月20日に開催された定期戦『Hostile City
 Showdown』より収録された一戦。@の乱入劇を受け即刻両者の直接
 対決がブックですワ。試合は復讐に燃えるドリーマーのジョー・ブレーカ
 ー(withパイプ椅子)や機材置き場からのダイヴ攻撃でリーが劣勢に回
 る場面もあったものの、終盤リーがレフリーのフィネガンをパイプ椅子で
 殴って失神させ、ブルース兄弟の介入をお膳立て。さすがのドリーマー
 も巨漢3選手を前にしては防戦一方で、ブルース兄弟によるステレオ
 式のビッグ・ブート(withパイプ椅子×2脚)を喰らいマットに大の字に。
 するとリーがドリーマーの股間に鎮座される『伝家の宝刀』にコンクリー
 ト・ブロックを置いて満身の力を込めてパイプ椅子でカツンと一撃!
  あ、これだけ『伝家の宝刀』を集中攻撃されたドリーマーですが、この
 夜の興行のメインに組まれたレイヴェンとダグラスの王座戦の直前に
 設定された『エクストリーム・ソープ・オペラ』に緊急出演。なんとレイヴ
 ェンの新たなガール・フレンドであったカモナ・ワナレイヤ嬢(我が国で
 はニセ松田聖子と呼称)とビューラ嬢がレズビアン関係にあったと知っ
 て、それでも「ワシはそんな事は気にせん。何と言ってもワシはハード・
 コア野郎やからな。よっしゃまとめて2人ともワシが面倒見たるデ」と両
 手に花状態で控え室へと...。当然これを目の当たりにしたレイヴェン
 は更に血圧が上がってしまって(苦笑)......。
BTommy Dreamer & The Gangstas
 vs. Brian Lee & The Eliminators
  ECWアリーナにて96年5月11日に開催された定期戦『A Matter O
 f Recpect '96』より収録された一戦。ドリーマーとリー同様、当時抗争
 が白熱化していたのがギャングスターズとイリミネーターズ。ならばこ
 れをくっつけてしまえとブックされたのがこのカードです。試合はギャン
 グスターズが絡んだ事もあって大乱戦となり、終盤ドリーマーがリーを
 パイルで葬り去らんとしたところ、ド派手なブリーフ姿でショーン・マイケ
 ルズを気取るスティーヴィ・リチャーズ君が試合に介入。けどこの闖入
 者の股間をギュッと掴んで(気持ち良かった?、リチャーズ君)控え室
 へと連行したのはビューラ嬢とカモナ嬢。どうやらAの試合後の『一戦』
 で、レズビアンであったはずの2人はすっかりドリーマーの『伝家の宝
 刀』の虜となってしもたみたいですワ(苦笑)。
 あ、試合はドリーマーがAのお返しとばかりコンクリート・ブロックをリー
 の股間に置いてパイプ椅子で一撃。ニュー・ジャック親分の活躍もあっ
 て試合はドリーマー&ギャングスターズの勝利となっております。
 それと乱戦の中、イリミネーターズの両者(特に今夜はクローナス)が
 ハイ・レベルなスポットを構築してくれるので、こっちも要注意でっせ。
CTommy Dreamer (w/Beulah) & The Pitbulls (w/Francine)
 vs. Brian Lee & Bruise Brothers
  ニュー・ヨークはクイーンズ地区にあるロスト・バタリアン・ホール(戦
 没者記念公会堂)にて開催された定期戦(残念ながら日時不明)より
 収録された一戦。試合はホールの外にまでドリーマーとリーが飛び出
 す乱戦で、終盤レイヴェンがDDTによる乱入襲撃を決行。直後にドリー
 マーはブルース兄弟からのステレオ式のビッグ・ブート(withパイプ椅
 子×2脚)⇒リーのビッグ・ブートを連続で被弾して敗退。しかしこれで
 手を引く悪者チーム(苦笑)ではありません。ビューラ嬢&フランシーン
 嬢の懇願も空しくドリーマーの『伝家の宝刀』への攻撃が続き、フラン
 シーン嬢までがブルース兄弟の片割れ(ドン?、それともロン?)から
 無慈悲なビッグ・ブートまで喰らわされ...。それでも最後はドリーマ
 ーが、やっと息を吹き返したピット・ブルズとともにレイヴェンをスーパー
 ・ボム葬(ドリーマー自身が身体を張って実弾と化した)。これで溜飲を
 下げた、ドリーマー率いる良い者チーム(苦笑)なのでした。

◎ここまでの4試合はどれもジョーイ・スタイルス氏の実況が入った映像
 でして、多分定期放送や市販ビデオなどでも使われたものだと思いま
 す(ガオラやサムライTVなどで見た覚えがあるし)。で、ここからの5試
 合は全て『RF-VIDEO』十八番のファン・カム映像。ハンド・ヘルドのワン
 ・カメラによる映像で、どれもこれも収録地や収録日が不明(RF、手抜
 きせんとクレジット位は入れる努力をせんかいな!)なのが惜しまれま
 すが、ドリーマーとリーの抗争劇って『ネタ』を手にしたECW一座が地
 方巡業(所謂ドサ回り)でどんな塩梅であったのかを知るには格好の
 素材ですんや。ではではECW一座、96年初夏の地方巡業へ...。

DTommy Dreamer (w/Beulah & Kimona Wanalaya)
 vs. Brian Lee
  地方巡業のお楽しみは何と言っても各選手の弾け具合。この夜、ドリ
 ーマーはお客から手渡されたヘルメットを被ってリーに頭突きを見舞う
 など、乗り乗りの絶好調。勢い余ってリーと2人、会場外の道路まで戦
 場を求めてしまい、慌てた車が急停車するなんて場面もありましたデ。
 試合はブルース兄弟の無法介入をアクセントに置き、リーがドリーマー
 を会場外の巨大ゴミ箱にチョーク・スラムで投げ込んで(その際、ドリー
 マーは後頭部をゴミ箱の角で痛打)快勝。しかもこの様子をレイヴェン
 が得意のポーズ(生きながら葬られて)を決めながら眺めていて...。
ETommy Dreamer (w/Beulah & Kimona Wanalaya)
 vs. Brian Lee (w/Stevie Richards & Blue Meanie)
  ブライアン・リーのコス・プレでリング上に現れたのはスティーヴィ・リチ
 ャーズ君とブルー・ミーニー。と、背後から忍び寄る怪しい黒い影二つ。
 これがビューラ嬢とカモナ嬢で、2人揃ってリチャーズ君とミーニーの股
 間をお尻の下から手を回して鷲掴み。ウーン、やっぱりドサ回りではこ
 んな下ネタが受けるんやろな。で、これを見て腹を抱えるドリーマーをリ
 ーが襲い、試合は始まるのやけど、今夜も両者は会場外の道路にまで
 繰り出す大乱戦を展開。その後はまたもブルース兄弟の無法介入があ
 って、ドリーマーはリーのビッグ・ブート3連発(3発目はパイプ椅子付き)
 をモロに喰らって無念の敗退。あ、試合決着後にはピット・ブルズによる
 ドリーマー救出のための援護射撃なんて場面もおましたデ。
FTommy Dreamer
 vs. Brian Lee (w/Stevie Richards & Blue Meanie)
  またもやリーのコス・プレで現れたスティーヴィ・リチャーズ君とブルー
 ・ミーニー。例によってドリーマーに叩き出されたところでリーが現れ、
 今夜も両者の一騎討ちが始まりました。で、やはりやはり今夜も戦場は
 トイレを経由して会場外の道路へと移行。乗用車がビュンビュンと行き
 交う道路沿いで殴り合いを延々続けたドリーマーとリーですが、ある程
 度で折り合いが付いたらしく、再び戦場はリングへと逆戻り。ここでリー
 がレフリーをパイプ椅子にてシバキ倒したため、ドリーマーによる乾坤
 一擲のDDTも決定打とはならず、あろう事か試合に突如介入したイリミ
 ネーターズから彼等のフィニッシュ・ムーヴである“完全殺戮”まで喰ら
 わされ、これにてドリーマーは成す術なく敗退してしまいましたんや。
 あ、試合決着後にはギャングスターズ(ピット・ブルズとの日替わりメニ
 ューやろか)によるドリーマー救出のための援護射撃なんて場面もおま
 したデ。
GWeapons Match : Tommy Dreamer (w/Beulah &
 Kimona Wanalaya) vs. Brian Lee
  リー相手に黒星の続くドリーマー。今夜は起死回生を狙って凶器自由
 使用戦でリーとの一騎討ちに臨みました。まずはビューラ嬢とカモナ嬢
 に搬入させた各種凶器で仕掛けたドリーマーですが、やはりやはり今
 夜もゴングから2分を待たずして戦場は会場外へと移行。ここではドリ
 ーマーがお客から手渡されたアメ・フト用のヘルメットを被ってリーの猛
 攻を防ごうとするのやけど、ヘルメットが小さいのか、はたまたドリーマ
 ーの頭がデカいのか(多分後者やと思うな)、ヘルメットを被ると言うよ
 りは、ヘルメットを頭に乗せただけって状態のドリーマーの姿には、こっ
 ちも力なく笑うしかおまへんでしたワ。で、女子トイレでの乱闘(どうやら
 誰かが個室を1個使用中?)やドリーマーによる階段落ち(ここまで記
 さなかったけど、これも連日連夜ドリーマーが志願)の末に、今夜はドリ
 ーマーがDDT一発でリーを撃破。けどこれでドリーマー、ちょっと気が
 緩んでしもたのか、ショーン・マイケルズを気取って乱入して来たスティ
 ーヴィ・リチャーズ君からスゥイート・チン・ミュージックを喰らい、続けて
 リー必殺のチョーク・スラム(forゴミ箱)にて見事に昇天。それでもリー
 は『伝家の宝刀』潰しを続けて...。リーによる蹂躙からやっと解放さ
 れたドリーマーには、「ヤツこそハード・コア!」チャントも掛かったもの
 の、当のドリーマーはドサ回りの疲れがピークに達したか、力なく控え
 室に姿を消してしまいましたとさ。
HFalls Count Anywhere Match :
 Tommy Dreamer (w/Beulah & Kimona Wanalaya)
 & The Gangstas vs. Brian Lee & Bruise Brothers
  ドリーマーはギャングスターズを、リーはブルース兄弟をパートナーに
 それぞれ指名して始まった今夜の試合ですが、やっぱりドリーマーとリ
 ーは縺れ合いながら戦場を会場外へ。で、改めて会場内へ戻ったと思
 ったら、今度はグッズ売り場が戦場と化して。ウーン、ワシもFMWやW
 ★INGなどで数え切れない程の場外戦を目の当たりにして来たんやけ
 ど、彼等が絶対に戦場として選ばなかった、ある種の『聖地』とも言える
 場所がグッズ売り場でしたんや。ま、考えてみたら当然や。各種グッズ
 は入場料だけでは補えない貴重な収入源で、そんなところで場外戦な
 んてやろうものならどさくさまぎれでグッズを盗む(ワシみたいな)手癖
 の悪い奴が大喜びするモンな。それをここまで戦いの舞台として選択
 するとは、ECWもやる事が豪気と言うか、脇が甘いと言うか...。
 試合はドリーマーがリーの特大チョーク・スラムで沈められ、その後に
 胸、腹、股間に各々コンクリート・ブロックを乗せられて、リーの力任せ
 のパイプ椅子攻撃をモロに受けて...。あ、ギャングスターズやブルー
 ス兄弟ら名うての暴れん坊の揃ったこの試合ですが、トータル時間も
 短めやったし、試合後の番外戦も殆どなし。ぶっちゃけ、流した感じが
 ありありと伝わってくる一戦ではありましたな。
 ま、これもドサを回る旅芸人達の処世術やから、ワシがとやかく言う事
 なんてないんやけどね。

【その後のドリーマーとリー】
  リーの雇い主がレイヴェンからシェーン・ダグラスにスルッと変わりはし
 た(いや、銭を貰ったら誰のガードでもやるデ、ってリーなのでレイヴェン
 とダグラスの二股状態であった事も)ものの、まだまだ両者は抗争を続
 け、96年10月26日にECWアリーナで開催される事となる定期戦『Hig
 h Incident』での高所足場戦、同じくECWアリーナで開催される事となる
 11月16日の定期戦『November to Remember 1996』でのテリー御大
 &ドリーマー対ダグラス&リーによる頂上タッグ対決へと雪崩込んで行
 くんですワ。ま、それはまた別の機会にでもご報告いたしまっさ。


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