では収録内容の詳細を

このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産モニターでは
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。

HEAT WAVE 1996
(PAL版)(約2時間30分収録)
 本DVDは96年7月13日にペンシルベニア州はフィラデルフィアのECW
アリーナにおいて開催されたECWの定期戦『Heat Wave 1996』の模様を
収録したものです。
尚、これまでUKのPAL版については散々ボヤいて来ましたが、このDVD
も著作権の関係で選手の入場テーマがオリジナルのものとは全く違う安っ
ぽい打ち込みインスト曲に差し替えられており、@やIなどは観るも(いや、
聞くも、か)無残な有様。それなら買わなかったらエエのになんて声なき声
も聞こえて来そうですが、やっぱりそこはECWが好きなもので...。
では、『熱波:96年』の内容をご報告させていただきまっさ。

@The Gangstas vs.
 The Samoan Gangsta Party (Sammy Silk & Mack Daddy Kane)
  まずはギャングスターズとサモアン・ギャングスターズによる小細工抜き
 の大乱戦でお客さんのご機嫌伺い。例によってニュー・ジャック親分が凶
 器山盛りのゴミ箱をリングに投げ入れたのを合図に試合は開始されたの
 ですが、サモアン・ギャングスターズの面々は強面な風貌をお持ちである
 のに、ニュー・ジャック親分とムスタファの凶器攻撃の前に、ホンマにされ
 るがまま。反撃の一つも出来ず、短時間で血の海へと沈められてしまい
 ましたワ。あ、楽勝で今夜の仕事を終えたニュー・ジャック親分、マイク片
 手にタッグのベルトを保持するイリミネーターズや、巨漢双子コンビのブ
 ルース・ブラザーズ、WWFにWCWと全方向へ向けて宣戦布告をブチか
 ましておりまっせ。
AMikey Whipwreck
 vs. Paul Lauria (w/Damien Kane & Lady Alexander)
  小柄なマイキー君、自身より更に小柄なローリアを数分で雪崩式フラン
 ケンシュタイナーにて手堅く料理。と、突然タッグ王座のベルトを手にした
 イリミネーターズが現れ、マイキー君とローリアを無差別テロの標的に。
 どうやら@でニュー・ジャック親分に好き勝手にアジられたのがお気に召
 さなかったのが無法乱入の理由の様ですが、哀れなのはマイキー君や。
 「ボク、何か悪い事でもした?」なんて顔付きでヘロヘロと花道を引き上げ
 るのやけど、ここに現れたのは我等がサブゥ。マイキー君に、「こんな目
 に遭わされてお前はスゴスゴと帰るんか!」と共闘を申し入れ...。
BECW World Tag Championship :
 The Eliminators vs. Sabu & Mikey Whipwreck
  って事で急遽(そんな事はないか)始まったタッグ王座戦。序盤はサブ
 ゥとマイキー君の即席コンビもそれなりにコンビネーション・プレーが機能
 してはいたものの、やはり試合が長引くと徐々に流れはイリミネーターズ
 側へと傾き始め...。また悪い事にマイキー君、サブゥと続けてミス・ム
 ーヴを連発(サブゥの場合は元々高難度のムーヴなので、ミスであると
 切り捨てるのは酷やけど)しては勝機などありまへん。最後は自爆気味
 にサブゥが場外テーブルへと落ち、直後にマイキー君目掛けてイリミネー
 ターズ必殺の合体技『完全殺戮』が火を噴いて...。
 尚、イリミネーターズの保持するタッグ王座を巡る抗争は激化の一途を
 辿り、次回8月3日の定期戦『The Doctor Is In』にてギャングスターズ、
 ブルース・ブラザーズ、サモアン・ギャングスターズによるタッグ方式の4
 コーナー戦へと発展して行くんですワ...。
CThe FBI (J.T. Smith & Little Guido & Big Guido)
 (w/Salvatore Bellomo) vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley
 & Big Dick Dudley & Dance With Dudley)
 (w/Sign Guy Dudley & Chubby Dudley)
  96年4月20日の定期戦『Hostile City Showdown 1996』にて華々しく
 船出したFBI(純血イタリア人軍)。イタリア産の種馬を自認するJT、シャ
 ドー・ボクシングを繰り返すリトル・グイドーに、今夜は初期ECWの名物
 レスラーであったサルバトーレまでがジョイントや。その上、リトル・グイド
 ーが「俺の“リトル・ブラザー”を紹介するぜ」と花道奥を指差すと、そこに
 は“巨漢”のビッグ・グイドーが...(苦笑)。いやはやFBIは絶好調の様
 ですが、対するダッドリーズはどうも異母兄弟(ギミックよ、ギミック)の仲
 が一枚岩ではない様子で、ババなどはハチマキに『F**K U D-VON』
 殴り書きしての入場。するといよいよ試合開始のその瞬間、会場奥の機
 材置き場にD−ボンが現れ、ババやビッグ・ディック(巨根)・ダッドリーを
 挑発し出して...。ウーン、これどうにも伏線バリバリのカードで、試合中
 にD−ボンが介入し、続いてD−ボン追撃に“シャー!”ハック・マイヤー
 スまでが絡み、もう何が何やら全く分かりません。とりあえずビッグ・ディ
 ックが乱戦の中、パイプ椅子攻撃をリトル・グイドーに見舞って試合にピ
 リオドを打ってしまいましたワ。当時D−ボンが異母兄弟連中の中で浮い
 た存在であった事(ネタよ、ネタ)は理解しているワシですが、これはもう
 ちょっと時間と資料をいただいて『交通整理』しないとアカン試合やなァ。
DTarzan Goto vs. Axl Rotten
  威風堂々ECWアリーナのリングへと歩を進めるのは、日本国が誇るデ
 ス・マッチ・ファイターの大御所ターザン後藤。『鬼』、『FMW』と縫い取り
 の入ったガウンを羽織り、コスチュームには勿論『鬼神』の二文字が。
 後藤、前年5月の大仁田引退(二度目の)直前にFMWを脱退しており、
 96年7月ならIWAジャパン(←三ヶ月弱後には一時休眠するんや)にワ
 ラジを脱いで居たはず。多分ビクター・キニョネス(当時はFMWに居てた
 けど)のラインでECWへの御出馬となったのやろね。
 また今夜の対戦相手であるアクセル・ロットンとは、IWAジャパンの95年
 6月の『The Heat Is On -熱い夜-』ツアーで同じ釜の飯を食った仲。95
 年6月4日のIWAジャパン伊賀上野大会で観た後藤&市原vs.バッド・ブ
 リード(イアン・ロットン&アクセル・ロットン)も今やエエ思い出ですワ。
 さてさて注目の後藤の試合なんですが、一部客席からは“IWA”チャント
 も聞こえる中、アクセル相手に得意の突き上げる様なアッパー・カット・パ
 ンチを多数打ち込み、ECWアリーナ座付きの“麦わら帽子&サングラス”
 の前で椅子チャンバラを披露し、アクセルをパイプ椅子でシバき倒し(例
 によって殴っているのはアクセルではなく、殆どリングやけど)、パイプ椅
 子目掛けて十八番のゴーストバスターを放って楽々締め。
 良かったね後藤、ボロが出ぬ前に試合を終わらす事が出来て。良かった
 ね後藤、ECWアリーナにはアンタの揚げ足を取るのを生き甲斐にしてい
 た96年当時の道頓堀次郎みたいな悪質ファンが居なくって(苦笑)。
Eネタ振りの時間です
  ジョーイ・スタイルスの仕切るリングに現れたのはタズを従えたアルフォ
 ンソ。タズの後ろ盾があるのをエエ事に、スタイルスにクビを宣告し、新た
 にジョエル・ガートナーを任命するとアピールや。もうそこら辺りにしときや
 と、“紛争処理係”の911が現れるも、タズが余裕で巨漢の911をチョー
 ク・アウトしてしまい...。
FECW TV Championship Match :
 Shane Douglas vs. Chris Jericho vs. Too Cold Scorpio
 vs. Pitbull #2(w/Pitbull #1 & Francine)
  @やCや後に記すIの様に、いささか大味な試合の多かった今夜の
 興行ですが、やはりそれだけで終わらないのがECW。プロレスって芸
 におけるスポット回しの醍醐味ってのをこれでもかって程にテンコ盛りし
 たTV王座を巡る4コーナー戦が、興行の中盤にドンと配されましたんや。
 しかもこの面子、堪らんでしょ。シェーン・ダグラス、ピットブル2号、スコ
 ーピオ、クリス・ジェリコの4人でっせ。結局トータルで40分にも渡るタフ
 なロング・マッチとなるのですが、一時もダレた瞬間を作らなかったのは
 お見事の一言。しかも試合の終盤、ピットブルズの飼い主であったフラン
 シーンちゃんがピットブルズをダブル・クロスし、シェーン・ダグラスへと寝
 返るのやけど、この場面の鮮やかさとトンチの利き具合はホンマに最高。
 これが、以降ECWマットを暴力と姦計にて統治するダグラス=フランシ
 ーン・ライン結成の瞬間かと思うと感慨深くなってしまいますワ。
 尚、ネタばらしを屁とも思わぬ道頓堀次郎なんですが、このダブル・クロ
 ス劇のネタ(=オチ)だけは内緒にしておきます。ヒントはフランシーンち
 ゃんの魅力あるお尻に隠されているのですが、もしも興味があられるの
 なら是非是非DVDを購入して。PAL版である本DVDが無理でも、この
 試合ならNTSC方式で記録されたリージョン・フリーのDVD『PATH OF
 DESTRUCTION』にも収められておりますさかいに、ね。
 尚、本試合の終盤フランシーンちゃんの裏切りに怒り心頭のピットブル1
 号が介入、ダグラスから片手を極めたDDTを喰らうシーンがあります。
 実はこれでピットブル1号は首にマジで深刻なダメージを負ってしまいま
 すんや。で、これを火種に、ダグラスもピットブル1号(及び2号)も当初は
 予定していなかったはず(多分)の過度な抗争アングルへと否応なしに
 巻き込まれて行くんです...。
  まずは次回8月3日の定期戦『The Doctor Is In』にてダグラスとピット
 ブル2号との一騎討ちが組まれ、相方のピンチに首を大型の固定具でガ
 ッシリと固めたピットブル1号が思わずリング上へ。と、ダグラスが固定具
 を手で持ち、そのまま左右に振り回してピットブル1号を転倒させてしまい
 ます。この怪我人に対する大暴挙(ネタよ、ネタ)で、一気にダグラスは
 極悪人のレッテルを貼られてしまい...。
 以下、詳細はまた別の機会にでもご紹介いたしますワ。
GLouie Spicolli vs. El Puerto Ricano
  これがスピコーリのECWデビュー戦。サブゥに一方的に憧れているら
 しい小柄な“ザ・プエルトリコ人”プエルトリケーニョをデス・バレー・ドライ
 バーからパイプ椅子攻撃で軽く一蹴してしまいました。
HSabu vs. Louie Spicolli
  “ザ・プエルトリコ人”の仇討ちとばかりサブゥが現れ、急遽(そんな事は
 ないか)始まったサブゥとスピコーリの一騎討ち。なにやら今夜のサブゥ
 はこんな役回りばかりですな。さて試合なんですが、どうやらサブゥはB
 で以前より爆弾を抱える首を再度痛めた様で、首にギプスをはめたまま
 の痛々しい姿での大奮闘。けどスピコーリがサブゥの首を的確に攻撃し、
 サブゥは得意のアラビア殺法を各種繰り出すものの、どうにもこうにも決
 め手に欠けてしまいます。しかもBに続いてのミス・ムーヴ露呈まであっ
 て、最後は「もぅこれで勘弁してくれ」って感じで無理やりスピコーリをフォ
 ール。プロデューサーのポール・Eとしては、この試合でスピコーリ侮り難
 しをファンに印象付けたかったのでしょうが、それよりなによりお客は皆、
 サブゥは大丈夫なんかいなと思ったんやないやろか。
IRage in a Cage :
 Sandman (w/Missy Hyatt) & Terry Gordy &
 Tommy Dreamer (w/Beulah & Kimona Wanalaya)
 vs. Raven (w/Super Nova & Blue Meanie) &
 Brian Lee & Stevie Richards
  これまたC同様に多数の助演陣が絡んだ、伏線バリバリの金網戦。良
 く言えば豪華絢爛で、悪く言えば一体全体何を見せたいんや、と...。
 ま、ドリーマーによる金網頂部からの3連テーブルをブチ抜いての落下な
 んてデンジャラスなスポットもあったものの、この際試合経過は割愛して、
 多分プロデューサーのポール・Eが一番見せたかったと思われる、レイヴ
 ェン軍団対サンドマン一家(ロリ夫人&長男のタイラー君)による『宗教戦
 争』アングルの幕開きだけはキッチリとご紹介しておかんとね。
 まずは試合前、竹刀片手にサンドマンがレイヴェンにじわじわと歩み寄る
 のやけど、ここでレイヴェンの口から出たのは「タイラー君...」の言葉
 これにサンドマンが動揺し、そのまま試合へと。そして試合の終盤、ドリ
 ーマーの持ち出した手錠によってレイヴェンが金網にまるでキリストのご
 とく磔となってしまい、あぁレイヴェンの悪運も遂に尽きるかと思われたそ
 の瞬間、ロリ夫人に付き添われたタイラー君が金網の中へ。
 しかもタイラー君、ネル・シャツを腰に巻き、皮のライダー・ジャケットを羽
 織った、所謂レイヴェン・ファッションでの登場なんや。で、タイラー君、磔
 となったレイヴェンと竹刀を振りかざす父親サンドマンの間に割って入り、
 突然レイヴェンのトレード・マークであるクルスフィックス・ポーズ(生きな
 がら葬られて)!!
 これには呑んだくれ親父のサンドマンもビックリ仰天。「このガキ、何を邪
 魔しとるんや!」とパートナーのドリーマーが怒るも、サンドマンは我が子
 可愛さにドリーマーを制し、これで一気にチームの和が崩壊。サンドマン
 が驚異の粘り腰を発揮してレイヴェンをフォールしとりあえず試合には勝
 ったものの、ここからサンドマン一家はレイヴェンの仕掛けたドス黒い罠
 へと転落して行くんですワ...。
 ※この『宗教戦争』アングル、ポール・EもWWEが直々に編集したECW
  のヒストリーものDVD『THE RISE + FALL OF ECW』の中でお気に入り
  であると紹介されておりましたな。サンドマン一家、ちょうどタイラー君の
  夏休みの時期でもあって、このネタを引っ下げて各地を巡業して回った
  そうで、リング上の殺伐としたアングルとは別の、多分サンドマン一家
  として忘れられないサマー・バケーションを過ごしたのやと想像します。


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