では収録内容の詳細を

Steel Cage Standoffs 1996-10-18
(DVD-R*2枚)
(DISC-1 : 約1時間44分収録)
(DISC-2 : 約54分収録)
 ECW存命時に、地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2005年11月期に発売された3タイトルの内
の1タイトル。ペンシルベニア州はプライマウス・ミーティング(これって地
名?、それとも施設名?)にて1996年10月18日に開催された定期興
行の模様を収録したものなんですワ。
尚、ワシはこのDVD−Rを大阪梅田のイグニッション・レコードさんで2,
800円にて購入しました。別にイグニッション・レコードさんに義理立てす
るつもりはないけど、米国から通販で購入すると送料込み22ドル必要と
なるし、おまけに最近の『RF-VIDEO』はビジネスが適当(元々海賊もの
のショップなんやから、必要以上に期待するこちらも悪いけど)やから、
海外通販に絡む諸々の不安材料も払拭出来ての2,800円ってのは非
常に良心的ではないやろか。ではでは早速レビューへと...。

【追記】
  『RF-VIDEO』もちょっとは顧客満足度ってのを意識したんやろか、今
 回発売された3タイトルについてはメニュー画面も付加され、お好みの
 試合に直接アクセス可能な様に改善されました。
 またメディアであるDVD−Rを2枚使う事で、これまでのタイトルの様に
 ビット・レートを無理やり下げて興行全体をメディア1枚に押し込むなん
 てのも止めたみたい。只、それならメディアの容量一杯までビット・レー
 トを上げたらエエのやけど、これがそうでもないみたいで、メディアを裏
 返して鏡面を見てみると、使用しなかった『余白』が結構あって...。
 ウーン、どうにも『RF-VIDEO』はやる事が中途半端やなァ。また今回の
 3タイトルより、海賊版防止目的なんやろか、画面右下にデカい(実際、
 目障りな位にデカいんです)RFのロゴ・マークも入って......。
 おいおい、確かに海賊もの商売はアカンけど、当のアンタらがめちゃく
 ちゃな事をやったから、◎◎◎に訴えられて抜き差しならん状態になっ
 てしもたんやないの(苦笑)。
  
★★DISC-1★★

○DJを高く吊るせ!
  今夜の会場は何処かの講堂みたいなところでして、舞台を機材置き
 場として使用しております。で、簡易の音響装置とモニター卓を操作す
 るDJ(って程、格好良い感じやないな)も居てるのですが、どうにもこい
 つがドン臭く、テキパキとテーマ曲を流す事が出来ません。こうなると
 意地の悪いお客どもは黙っておらず、「DJ , Sucks !」の大合唱が...。
@ECW TV Championship :
 Shane Douglas (w/Francine) vs. Mikey Whipwreck
  オープニング・マッチはダグラス先生によるTV王座の防衛戦。何時も
 通り自信たっぷりに振舞う先生ですが、ここに突然現われたのがピット
 ブル2号。ピットブル2号、血相変えての突撃で、これを阻止せんとババ
 やビッグ・ディック、スピコーリにマイヤースまで登場し、皆で無理やりピ
 ットブル2号を強制退場や。これ、実はこの夜の約三ヶ月前、96年7月
 13日にECWアリーナにおいて開催され定期戦『Heat Wave 1996』
 て発生したフランシーン嬢の寝返り(ピットブルズ⇒ダグラスへ鞍替え)
 と、試合中にダグラス先生の放ったDDTによりアクシデント気味に起こ
 ったピットブル1号の首の骨折(から始まった抗争アングル)ってのが
 下地にあっての突撃で、ドサ回りでもTVの定期番組で進行中の抗争
 アングルを忘れないのはホンマに頭が下がる思いですワ。
 試合はダグラス先生がマイキー君に何度も『あわやタイトル移動』って
 場面を作らせてやり、最後は十八番のベリー・トゥ・ベリーで完勝。
 また試合決着後も執拗にマイキー君の首を攻める事で、ピットブル2号
 との抗争アングルを再び三度煽ってやって。さすがは先生、おやりにな
 る事に抜かりがおまへんな。 
ATaz (w/Bill Alfonso) vs. Roadkill
  「お前、誰?」チャントで迎えられたのはロードキル。まだ後に定着す
 るアーミッシュ・キャラも使っておらず、鬚も短いままで身体も現在と比
 べると細い細い。当然タズの相手が勤まるはずなく、あっさりとタズ・ミ
 ッションで秒殺や。あ、お客がタズの抗争相手であるサブゥの名を連呼
 するので、タズは非常にご機嫌斜めみたいでしたデ。
BHack Myers & Louie Spicoli vs. Bad crew
  “シャー!”ハック・マイヤースにバッド・クリュー。どちらも正直腕が良
 くなく、彼等の拙さを楽しむのが目的の試合、って言ったら角が立ちま
 すか?。スピコーリのデス・バレーであっさりケリの付いた試合でした。
CNew Jack vs. Axl Rotten
  待ってました、ニュー・ジャック親分の試合や。けど前述した薄ノロDJ
 が手際良く親分のテーマである『ナチュラル・ボーン・キラーズ』を流しよ
 らんモンやから、またまたここで即席のDJ糾弾大会が(苦笑)。
 試合は例によっての凶器テンコ盛り戦で、親分がパイプ椅子爆撃をア
 クセルに放って激勝。また試合決着後、当時ダッドリー兄弟と疎遠とな
 り、アクセルと歩調を合わせていたD−ボンが親分襲撃に突如登場。
 ここに「ウチの出来の悪い弟が迷惑掛けてスンマヘン」とビッグ・ディッ
 ク・ダッドリーまでが現われ、ニュー・ジャック親分&ビッグ・ディック対ア
 クセル&D−ボンの即席番外戦へと発展ですワ...。
DThe Eliminators vs. The Dudley Boys (Buh Buh Ray Dudley
 & Little Spike Dudley)(w/Sign Guy Dudley)
  20分を越そうかといった勢いのロング・マッチ。しかし場外戦で冴えま
 くるイリミネーターズの片割れ、クローナスの能力の高さはどないや。
 また中盤〜終盤に掛けて小柄なスパイクの身体を『ネタ』にして披露さ
 れたスポット回しも上質で。ウーン、一時期日本の某メジャー団体がド
 サでは手を抜きまくると非難された事があったけど、ここまでやってくれ
 るECWとはエラい違いですなァ。あ、最後はイリミネーターズの必殺技
 である『完全殺戮』をモロに喰らったスパイクが撃沈して幕となっており
 まっせ。
EDoug Furnas vs. Devon Storm
  何がお気に召さないか、一部観客から口汚く野次られ続けるデボン。
 さすがにこれでは試合にならんと警備員に通告し、これで最前列から
 観客1名が強引に退去させられました。で、この場面が本試合のハイ
 ライト(苦笑)。リング・ベルが鳴ってすぐ、ファーナスが投げっ放し(キチ
 ンとブリッジせんかい。ワシは投げっ放しが大嫌いや!)のジャーマン
 でデボンを秒殺してしまいましたとさ。
FPitbull #2 vs. Sammy Slick (w/Mack Daddy Kane)
  ダグラス先生の悪行の数々に怒り心頭のピットブル2号、僅かな時間
 でサモアン・ギャングスタ・パーティの片割れサミーをパワー・スラム葬。
 で、サミーのだらしなさを目の当たりにしたダグラス先生、控え室に向け
 て「誰でもエエからアイツ(ピットブル2号)を殺れ!。賞金ならたんまり
 と出すから!!」と無差別テロを奨励。けどこれに呼応したのがブルー・
 ミーニー&スーパー・ノヴァ、JTスミスではお話になりまへんワ。
 ピットブル2号、命知らずのお三方(苦笑)を返り討ちにし、ダグラス先生
 を追いかけて控え室へと....。さっきも書いたけど、常に抗争アングル
 を遵守するダグラス先生とピットブル2号、実に感心な方々ですなァ。

★★DISC-2★★

@Sabu vs. 2 Cold Scorpio
  当時、サブゥはタズとの抗争アングルの真っ最中であったはずで、何
 故ここでスコーピオとのシングル戦が組まれたのか分かりません。
 ただ歴史の本を紐解き想像するなら11月16日の定期戦『November
 To Remember 1996』においてスコーピオはECWを退団し、WCWへと
 栄転するんです。当然団体内でもスコーピオの栄転ついてはヒソヒソ話
 程度はあったでしょうし、それなら長年に渡って苦楽を共にしたサブゥと
 惜別の意味で一騎討ちでも、ってのはちょっと綺麗事過ぎますか?。
 試合はサブゥの各種アラビア殺法と、スコーピオの華麗な舞が堪能出
 来る内容でして、最後は若干呆気ないながらもサブゥの飛び付きDDT
 一発でスコーピオが敗退。試合後、クリーンに握手を求めるサブゥと、
 それに応じたと見せ掛け奇襲攻撃を仕掛けるスコーピオ。両者の立場
 や思いを考えるなら、これは虚と実の入り混じったシーンやないの!。
 尚、『RF-VIDEO』の商品紹介欄を見ると、両者は10月11日や10月1
 9日の定期戦でも一騎討ちをやっているみたいでっせ。
ASteel Cage Match :
 Tommy Dreamers (w/Beulah)
 vs. Brian Lee (w/Blue Meanie & Super Nova)
  さてここからが今夜のメイン・ディッシュ(?)である金網戦の2連発
 先にブライアン・リーが金網へと身を投じ、追ってドリーマーが金網の
 前へと歩み寄ります。と、ドリーマーの背後に忍び寄る怪しき影二つ。
 これがミーニーとノヴァでして、彼等の奇襲を受けてドリーマーに隙が
 生じ、これを好機と悟ったリーが金網より抜け出し、ドリーマーを引き
 連れて会場外(その後は女子トイレ⇒グッズ売り場と移動)まで戦場
 を求める乱戦へと発展。おいおい金網戦と銘打ったのに、やっている
 事は殆どレビュー済のDVD−R『Extreme Fueds : Dreamer vs. Lee』
 に収録されていたリーとドリーマーによるドサ回り巡業での定番マッチ
 やないの(苦笑)。金網戦と言っても殺伐としたイメージが皆無で、ど
 こか牧歌的な感じやな。うんうん、やっぱりドサではこんなモン(←決し
 て悪い意味やないデ)やね。試合はミーニー&ノヴァの介入を跳ね返
 し、ドリーマーが小包固めでリーをなんとかフォールや。
BECW World Heavyweight Steel Cage Match :
 Sandman vs. Steve Richards (w/Blue Meanie & Super Nova)
  小包固めで丸め込まれただけなので全くダメージのなかったリー。ミ
 ーニー&ノヴァと3人でドリーマー相手にやりたい放題の鬱憤晴らしを。
 で、リーとノヴァはある程度のところで控え室に戻ったものの、まだまだ
 やり足りないとミーニーがドリーマーを蹂躙(って程に悪どくはないけど)
 していると、ドリーマーの身を案ずるビューラ嬢が決死の覚悟で救出に
 出撃。デブのミーニーをDDT一発で伸ばしてしまいましたワ(苦笑)。
 さてこの様子を眺めていたのがリチャーズとノヴァ。ミーニーの危機(ビ
 ューラ嬢に軽く仕返しされただけやど)に金網へと入ってしまいます。
 と、ジャストのタイミングで会場内に名曲『エンター・サンドマン』が。
 そう、大看板サンドマンのお出ましですんや。試合はサンドマンの保持
 する世界王座も懸かっていた様で、リチャーズはノヴァ&ミーニーのと
 ことん頼りにならない仲間2人を公然と介入させ、レフリーもこの程度な
 ら両軍の力の均衡も保たれている(苦笑)と判断したか、殆ど見て見ぬ
 素振り。最後は当然サンドマンの勝利⇒缶ビールでの酒宴へと...。

【DVD−Rを観終えて】
  金網戦の2連発とはECWも豪気な事をしてくれるやんか、なんて当
 初は考えておりましたが、その実態は金網を舞台に使った2話完結の
 小芝居。それでもミーニーとビューラ嬢の絡みを中間部に配する事で、
 ドリーマー対リーからサンドマン対リチャーズへとスムーズにネタを転が
 し、大看板サンドマンの酒宴でオチを付ける辺りは見事としか言い様が
 ないですな。只、本DVD−Rは映像のデジタル化の際に不手際があっ
 たのか、黒い横ジマ模様のデジタル・ノイズが画面に頻繁に乗るんや。
 折角の好映像やのに、これはちょっと残念でしたワ。


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