では収録内容の詳細を

CAGE OF DEATH Y
2004-12-11 (DVD-R*3枚)
(約4時間48分収録)
 本作はDVDではなくって、DVD−R。毎度お馴染みSMARTMARKから
3枚組(今回は長時間興行であったためか、何時ものようにDVD−R×2枚
には収まりきれなかったみたい)で20ドルにて発売されている団体公認(?)
の代物でして、ワシは我が国で唯一SMARTMARKのオフィシャル・ショップ
をされている大阪梅田のイグニッション・レコードさんで2,900円にて購入し
ました。別にイグニッション・レコードさんに義理立てするつもりはないけど、
米国から通販で購入すると送料込み27ドル必要となるので、2,900円って
のは非常に良心的ではないやろか。
さて本DVD−Rの内容は、2004年12月11日にペンシルベニア州フィラデ
ルフィアのヴァイキング・ホール(元ECWアリーナ)にてCZWが開催した20
04年最後の定期興行を完全収録したものなんですワ。
で、CZWの年末興行って言うと、積もりに積もった選手間の遺恨を『CAGE
OF DEATH』って名称の『死の金網戦』にて清算させるってのが恒例なん
やけど、今年は例年以上に各種の『抗争ネタ』を仕込みに仕込んだので、な
んと『死の金網戦』が2試合組まれ、他にも高所足場戦などがドカンと控える
大盤振る舞い状態。ま、この年末総決算って色合いの興行で一年の間に各
選手の身体に染み付いた『抗争ネタ』を綺麗さっぱりと流して、新たな気分
で新年を迎えて欲しいって団体側の親切な思いもあるんやろね(笑)。
では早速注目のCZW年末興行、詳細をレビューしますワ。

★★DISC−1★★
@Mavens Games
  今夜のメイン・デッシュである『死の金網戦』なんですが、多数の選手によ
 る複数試合が計画されているため、リングが1個では手狭だとなったんや
 ね、『金網WAR GAME』の先駆者WCWに倣ってリングを2個併設しての
 会場設営。ここ数ヶ月間の定期興行では会場への観客動員がめっきり少
 くなっていたCZWですが、さすがに練りに練った『抗争ネタ』が今夜趣向を
 凝らした試合で一掃されるって宣伝効果は絶大で、今夜のヴァイキング・ホ
 ール(元ECWアリーナ)は大入り満員や。
  で、まずリングに立ったのはブラック・アウト軍所属の広報担当メイヴィン・
 ヴェントリーさん。お得意の嫌味ったらしいスピーチをしばし展開し、彼の発
 案(?)でリング2個をフルに活用して約20人程度の選手の参加する勝ち
 抜き戦が始まりました。この試合、CZWを主戦場(大半がCZWが運営する
 レスリング学校の生徒さん達?)として活躍している若手選手達が大挙出
 場していて、どうやらタッグ・パートナーは各々別々のリングで試合するの
 ルール(勝手に隣のリングへ移動するのも駄目)みたい。
 さて試合は約20人程度の選手が、あちこちで次々に十八番のスポットを
 露する、実にスピーディな展開でドンドンと進み、向かって右側のリング(以
 下、リングAと表記)を制したのは力自慢のダマーを下したフレイジア。
 方や向かって左側のリング(以下、リングBと表記)はどうも混戦模様。
 最初は道頓堀次郎命名するところの『CZW前座戦線のクラッシャー』、DJ
 ハイドを本命視していたのやけど、リング下からメイヴィン・ヴェントリーさん
 がちょかいを出して来て無念の敗退。最後は粘るニルス・ヤング(CKNYの
 片割れ)をニック・バークが締め上げて勝利ですワ。
 これでそれぞれのリングを制した優勝決定戦進出者が決まり、フレイジアと
 バークの対決へと移行したんや。けどリングAを余裕で制したフレイジアに
 は息を整える時間があったものの、混戦のリングBを何とか勝ち抜いた状
 態のバークは最初っから青息吐息。芸歴の長さって点でフレイジアを翻弄
 する場面も作りはしたものの、やはり客席の声援を一身に浴びている日の
 出の勢いのフレイジアを止める事はならず仕舞い。あ、このフレイジア、20
 05年のCZWマット台風の目となるであろう注目株でっせ。
ABeef Wellington vs. Kid Kamikaze (w/Elsa Bangz)
  ビーフ・ウェリントン。以前みちプロなんかで活躍していた名前を見て、お
 ぉまだ元気でやっていたんやね、って思ったのですがこれは同名の全くの
 別人。キッド・カミカゼ同様に、カナダの異能集団IWS(Internet Wrestling
 Syndicate)所属の選手でした。さて、@では書かなかったのやけど、@も
 この試合も所謂ダーク・マッチの扱いだそう。で、上手くも凄くもないけど、
 女子マネの介入スポットも加えつつ、ウェリントンとカミカゼがダーク・マッチ
 の役割をキチンと認識した試合を披露ですワ。最後も女子マネ介入でウェ
 リントンに土が付くものの、これに怒ったウェリントンが女子マネの赤いTバ
 ック・パンティ姿を客席の四方に晒してからのパイルでお仕置き完了。
 狙い通り会場も暖まり、さぁいよいよ本編興行の始まり、かと思わせたので
 すが、リング上で失神する女子マネに迫る怪しき黒い影一つ。
 これがIWS所属の人気者セクシー・エディでして、エディはリングに上がる
 なり限りなくTバックに近いラメ入りパンツ一丁姿となって、これまた限りなく
 69に近い体位で女子マネに心臓マッサージを...(苦笑)。
 おいおい、本編興行前にここまで客席を盛り上げたらアカンで。後に続く選
 手達が困ってしまうんやから......(苦笑)。
BMusic Video
  今夜の興行において清算されるべき各『抗争ネタ』を中心に編集した、約
 7分程度のプロモ・ビデオ。WWEなんかと比べると見劣りするけど、これも
 結構お金が掛かってまっせ。
C"Lightning"Mike Qauckenbush & Jigsaw & Gran Akuma
 vs. Blackjack Marciano & Larry Sweeney & Hallowicked
  って事で始まった本編興行の第1試合は6人タッグ戦。これ、出場してい
 るのは全てチカラ・プロ(Chikara Pro Wrestling)所属の選手達でして、しか
 もマシアーノは現CZW認定アイアン・マン王者のクリス・ヒーローに取り入
 て手下に納まっており、CZWとも浅くはない関係を築いておりますんや。
 ウーン、Aで客席を盛り上げたIWS勢といい、このチカラ・プロ勢といい、C
 ZWは軒先貸して母屋を乗っ取られるんやないやろかって少しだけ心配。
 試合は併設された2つのリングをフル活用し、3人同時の場外ダイヴ・スポ
 ットなどで構成された内容。よく見ているとマシアーノが全ての攻防の基点
 (サッカーでいうボランチってやつ??)となっておりまして、最後もジグソ
 をフォールして幕に。チカラ・プロのHPによるとこのマシアーノ、ブラック・ア
 ウト軍の三下格に属するキングストンと2人でワイルド・カードってコンビを
 組んでいて、そう言えば以前観たCZWのDVD−Rでも出ていたような。
 いろいろと頑張っているんやね。よっしゃ、このマシアーノ、その風貌からチ
 カラ・プロにおけるカリート・カリビアン・クールと名付けますワ。
DAll Money Is Legal (K-Murda & K-Pusha & Dizzie)
 vs. Spyral & Heretic & Ghost Shadow
  11月の定期興行『Night Of Infamy 3』にて発生したトラブルが根底に潜
 む顔合わせ。CZWが運営するレスリング・スクールの生徒さんらしきスパ
 ラルとヘレテックに指示するのは、どうにもこうにも使えないゴースト・シャド
 ーですワ。それでも相手のマネー軍って、これまでマーダとプッシャの2人
 けだったので、この試合は3対2のハンディ戦となるものやって考えてまし
 んや。けど今夜のマネー軍、どこで調達したのか(少なくともワシは)初めて
 見るディジィを連れての登場。こうなるとどうしても試合はマネー軍主導の
 のに。マネー軍、中盤はヘレテックに集中攻撃を仕掛け、互いに1本づつ
 レフリーによるフォール見落としスポットを盛り込み、最後は余裕でスパイ
 ルを撃破。余りに両軍の力量に差があり過ぎましたな。
 いや、ちょっと厳しく評するなら、わざわざ前月の定期興行で『ネタ』を仕込
 んでまで組んでやる必要のある試合ではないでっせ。ま、移り気なレスリン
 グ・スクールの生徒さんを、こうして『発表会』に出してやって引き止めるっ
 切実な理由があるのなら、ワシもこれ以上愚痴はこぼさんけどね。
 追伸:ゴースト・シャドーら3人ですが、レスリング・スクールで必死に練習し
 たと思われる連携プレーの数々、それなりに派手で格好よくはありました。
 ケチを付けるだけやなしに、頑張っている点は褒めておきまっさ。
EMystery Partner Tag Match :
 "The Next"Alex Shelley & Jonny Storm
 vs. Roderick Strong & Erick Stevens
  続いてこの試合は10月の定期興行『BREAKING POINT』と11月の定期
 興行『Night Of Infamy 3』での、合計2度に渡って振られた『抗争ネタ』の決
 着戦。対立構図のアウト・ラインとしては、10月の定期興行でロドリックが
 アレックスを不意討ち。これを受けて11月の定期興行で両者の直接対決
 が組まれ、アレックスがロドリックを下したものの、この結果に納得しないロ
 ドリックが、互いに『ミステリー・パートナー』を加えて泣きの一回を申請って
 ところですワ。こうなるとどうしても注目されるのが両者の連れて来る『ミス
 テリー・パートナー』。で、アレックスがジョニー・ストームを呼び寄せ、ロドリ
 ックはエリック・スティーヴンスを呼び寄せて、本試合は開始されました。
 さて肝心の試合内容ですが、仮面ライダーV3のキッチ・コピーやないけれ
 ど、『力と技とスピード』に溢れた一戦。また『抗争ネタ』の主役であるはず
 のアレックスとロドリックを差し置いて、『ミステリー・パートナー』のジョニー・
 ストームがリング狭しと大活躍。最終的にストームに土が付くんやけど、こ
 れはグッド・マッチでしたデ。 
FNo Disqualification, Falls Count Anywhere In Philadelphia,
 Loser Leaves CZW, CZW World Junior Heavyweight Title Match :
 "The Original Playa from the Himalayas"Sonjay Dutt
 vs. M-Dogg 20
  単純に『抗争ネタ』を仕込む期間だけで比較するなら、他の試合を圧倒的
 に引き離す大河ドラマ並みの時間がつぎ込まれている一戦。サンジェイと
 ドッグによるCZW認定の世界ジュニア・ヘビー王座を巡る戦いですワ。
 で、さっき大河ドラマ並みの時間が云々と書いたけど、両人の間には200
 4年2月7日の定期戦『5 YEARS IN THE MAKING !』にて発生した、ドッグ
 よるサンジェイからのベルト盗み出しなんてセコな事件を発端にしての連綿
 と続く遺恨劇があり、なんとサンジェイはジュニア王者であるにも係わらず
 約10ケ月近くもベルトを腰に巻くことが出来なかったんや。当然ここまで舐
 めらてはサンジェイも怒ります。そんなこんなもあり、この一戦はCZWから
 の完全撤退まで賭けられたストリート・ファイト戦へと発展したんです。
 さて試合なんですが、サンジェイもストリート・ファイト戦って事で珍しくジー
 ズ姿で登場。左肘には黒いパッドが巻かれていてサンジェイが万全の体調
 ではない事を伺わせ、短期決戦を狙ったかサンジェイはゴングが鳴らされ
 とともに場外ダイヴを見舞って戦場を客席へと求めます。けど安直に乱戦
 へと逃げないのもサンジェイ。客席後方の雛壇上より月面水爆を放ったり
 と、プロレス頭も随所に発揮。対するドッグもヴァイキング・ホール(元ECW
 アリーナ)の支柱に器用によじ登り、支柱の上部で消防隊の出初式の様な
 姿勢を取り、ここから眼下のサンジェイへと自身の身体を投下や。
 この後、試合は再びリング上へと戦場を移し、ドッグの息の掛かったサブ・
 レフリーのフラッシュ・カウントにより、一度はドッグがフォール勝ち名乗り。
 しかしドッグのこの悪行だけは見逃せんと、ザンディグ親分が泣かせる大
 岡裁きを発動。さっきのフォールは無効とした上で、改めての試合続行を
 通達ですワ。こうして終盤に突入した世界ジュニア・ヘビー王座戦、サンジ
 ェイによる月面水爆式のフット・スタンプで決着かと思わせたら、ここに『正
 義痛』ことジャスティス・ペインが介入し、フォール負け寸前のドッグをアシ
 スト。続くドッグによるサンジェイへのテーブル上でのパワー・ボムには、ニ
 ック・ゲージの介入があり、これでサンジェイも命拾い。どうやらこの『正義
 痛』とゲージの介入、ともにサンジェイやドッグをヘルプするって思いからで
 はなく、今夜の最終試合でH8クラヴの屋号争いを行う両者が、もう待ち切
 れないと姿を見せたってのがホンマのとこやろ。この様に豪華客演陣をふ
 んだんに盛り込んだ試合。そろそろ幕の引き時を迎えるかと思わせた頃、
 サンジェイによるスプリング・ボード式のDDTがドッグに見事に決まり、遂に
 ドッグも力尽きます。王者であるのに10ケ月間も抱きしめる事が叶わなか
 ったベルトを愛しそうに手にするサンジェイ。けどザンディグ親分がリングに
 上がり、「ドッグのヘソのゴマにまみれたそんなベルトやなしに、お前にはこ
 の新しいベルトか似つかわしい」と、新調なった世界ジュニアのベルトをプ
 ゼント。返す刀でドッグには「♪ヘイ、ヘイ、ヘイ、グッド・バイ!♪」と惜別
 歌が進呈され、これに客席も即刻足並みを揃え、場内は「♪ヘイ、ヘイ、ヘ
 イ、グッド・バイ!♪」の大合唱。CZWマットを混乱させ続けて来たドッグが
 目出度く団体から排除され、ベルト盗難事件にハート・ウォームなピリオド
 が打たれました。ウーン、この結末は良かったねェ。

★★DISC−2★★
@Xtreme Strong Style Tournament Final Match :
 "The New Age Punisher"B-Boy
 vs."The HIred Assassin"Dan Maff
  2004年2月7日の定期戦『5 YEARS IN THE MAKING !』より突然始まっ
 たXSS(エクストリーム・ストロング・スタイル)トーナメント。ほぼ毎興行1試
 合、トーナメント絡みのものがマッチ・メイクされておりましたんや。で、ワシ
 もずっとCZWの定期興行はDVD−Rで観て来たつもりですが、どの様な
 組みで、最終的に何人がエントリーしたのか分からぬまま、本興行にて遂
 にトーナメントの決勝戦が晴れて行われる事に。しかも、本トーナメントの
 者には来月の定期興行で、クリス・ヒーローが持つアイアン・マン王座へ挑
 戦出来るって資格も与えられるそう。
 さて、その注目の決勝戦に駒を進めたのはBOYとマフ。ともに各地の独立
 系団体を腕一本で渡り歩いている実力者同士の顔合わせで、日本式の当
 たりのキツい戦い模様は『エクストリーム・ストロング・スタイル』の決勝戦に
 なるほど相応しいもの。マフによってコーナーに立て掛けられたテーブルに
 パワー・ボムで投げ込まれフラフラになったBOYでしたが、串刺しドロップ・
 キックの3連発(3発目は椅子を添えたもの)でマフを振り切ってまっせ。
A"The Savior of CZW"
 No Time Limit CZW Iron-Man Match :
 "The New Age Punisher"B-Boy
 vs. Chris Hero (w/Blackjack Marciano)
  XSSトーナメントを制覇し、来月の定期興行でクリス・ヒーローが持つアイ
 アン・マン王座へ挑戦する事となったBOY。しかし11月の定期興行『Night
 Of Infamy 3』で行われたXSSの準決勝戦(?)で、そのBOYから直接土を
 付けられているヒーローは内心穏やかではありまへん。それが上の試合終
 了後のBOY襲撃に結びついたんやろか。で、現アイアン・マン王者ヒーロ
 のこの卑劣な行いに怒り心頭なのが、CZWの総帥ザンディグ親分や。
 ヒーローにクローズ・ラインをブチ込み、今からここでBOY相手にアイアン・
 マン王座の防衛戦をやれ、と問答無用のお達しが発令されてしまいます。
 さぁ、苦手意識のあるBOY相手に、予定になかった(苦笑)防衛戦をいきな
 り命じられて困り果てたのはヒーロー。巨漢のマフ相手にXSS決勝戦を戦
 い終えたばかりのBOYであっても取りこぼしてはならんと、手下のマシア
 ノを適時介入させて万全の体制でベルト防衛に乗り出したものの、頼みの
 マシアーノは今夜の試合で顔を合わせたチカラ・プロ所属のジグソーによ
 て強制的にリング下から排除され、これで万策尽き果てたって感じ。
 客席からBOYを後押しする声援が沸き起こる中、最後はBOYが十八番の
 シャイニング・ウィザード(殆ど顔面蹴り状態やった)によりヒーローを撃破。
 5月の定期興行『APOCALYPSE』にてジミー・レイヴの腰からアイアン・マン
 王者のベルトを引っ剥がした以降は、のらりくらりとこの王座を防衛し続け
 て来たクリス・ヒーローですが、ベルトを腰に巻いたまま年越しとはならな
 かったようですな。
BSOCAL vs. CANADA :
 Super Dragon & Excalibur vs.
 El Generico & "Mr,Wrestling"Kevin Steen
  南カリフォルニア(SOCAL)に根を張るPWG(Pro Wrestling Guerrila)一
 派と、カナダの異能集団IWS(Internet Wrestling Syndicate)による団体
 対抗戦(及び、米国vs.カナダの図式も含む)。PWGの重鎮ドラゴンがコー
 ナーで待機していて試合権利のないIWSのケヴィンを、まるで親の仇の様
 に何度も襲撃し、これで頭に血が昇ったのか、ケヴィンは同僚ジェネリコが
 ローン・バトルを強いられている現状に全く気付かぬ様子。ここを勝機と見
 たかドラゴンがジャーマン⇒飛龍式⇒猛虎式のスープレックス3連発でたた
 み掛けるも、惜しくもこれはフィニッシュとならず。で、終盤の何時果てると
 も分からぬ4選手入り乱れてのスポットの打ち合いの末、最後はやっぱり
 ドラゴンがサイコ・ドライバーにてジェネリコをフォール。ウーン、客席には受
 けていたみたいやけど、ワシには試合時間が長過ぎました。測定した訳や
 ないけど、20分以上あったんやないやろか。12分程度に濃縮してくれた
 方が内容も一層濃くなるし、ワシとしては嬉しかったんやけどなァ。
CLadders & Scaffold CZW World Heavyweight Title Match
 and 10.000$ Bounty Match :
 Messiah vs. Adam"The Ego"Flash (w/Dewey)
 vs. "The Rock Superstar"Kaos
  いよいよここから3試合が今夜の見所。メサイアの持つCZW認定の世界
 王座のベルトを巡る試合でして、ここまでに至る『抗争ネタ』を再度振り返っ
 てみると、10月の定期興行『BREAKING POINT』ではXPW(現在、絶賛崩
 壊中!?)時代にメサイアと同じ釜の飯を食った仲のケオスが突如CZW
 に現れ、メサイアのベルトに挑戦。この時はケオスを下したメサイアでした
 が、試合後のちょっとした言葉の行き違い(苦笑)から、腹心アダム・フラッ
 シュまでがメサイアを衝撃のダブル・クロス!。続く11月の定期興行『Night
 Of Infamy 3』では、今夜の世界王座戦への挑戦権を巡ってケオスとフラッ
 シュが激突したものの、ここにメサイアが介入し不透明決着に。このドタバ
 タ劇に総帥ザンディグ親分もプチンと切れたか、世界王座戦を3WAY方式
 とし、しかも高所足場戦って過酷な舞台装置まで導入や。でも鞭ばかりで
 アカンと思ったのやろか、高所足場のそのまた頭上には世界王座のベルト
 と共に、1万ドルが入ったアタッシュ・ケースも吊り下げられており、勝者に
 は世界王者の称号と現ナマが転がり込むって粋なはからい。世界王座戦
 線を混沌とさせた3選手であるはずなのに、ザンディグ親分もなんとも気前
 のエエ事ですなァ(笑)。
  さて注目の世界王座戦ですが、まずはリングにて3選手が入り乱れる展
 開で始まり、序盤はケオスとフラッシュが結託してメサイアを攻め込む場面
 もあったものの、フラッシュが火事場泥棒のごとくこっそりと高所足場へと
 昇ろうとしたのをケオスが目撃。やっぱり3WAY戦に戦友など存在しない
 と悟ったか、ここからは2個のリングと高所足場へ昇るために複数個用意さ
 れた梯子を使っての、3WAY戦独特の各種スポットが披露されました。
 そして試合の終盤、3選手が揃って高所足場へと昇り、さぁここからが一番
 の見所である高所落下スポットの波状攻撃や、ってモニター画面を注視し
 たワシ。けど、これが正直期待外れに終わってしまいます...。
 フラッシュとケオスを一度ずつ高所足場から落とし、メサイアが楽々と世界
 王者のベルトと1万ドル入りのアタッシュ・ケースを獲得しよったんですワ。
 ウルトラ・バイオレンスを標榜しているCZWなのに、たった一度ずつのフラ
 ッシュとケオスの高所落下もヌルいもの(お前に出来るのかと問われると否
 ですが)やったし、もうメサイアを中心とした世界王座戦線も限界やね。
 CZW自体が脱デス・マッチへ向けての過渡期にあるのでしょうが、やはりC
 ZW認定の世界王者は、ここ一番ではワシらの度肝を抜く過酷な試合を志
 願して欲しいからなァ。メサイア、もう一度XPW時代を思い出してくれへん
 やろか。CZWに移ってからは、ホンマ性根の座った試合をやってないデ。
 それと全く使えないケオスは即刻、切るべし。で、『一夜限りの客人』ではな
 く、しばらくCZWに腰を据えて暴れてくれるニュー・カマーが欲しいな。 

★★DISC−3★★
@Cage Of Death Dual Dimension
 CZW World Tag Team Title Match :
 Team Cash
 (Chri$ Ca$h & JC Bailey & "Spyder"Nate Webb
 & "The Sexxx Express"Sexxxy Eddy) vs.
 The Blackout
 (Ruckus & Sabian & Eddie Kingston & Jack Evans)
 (w/"Primo"Robby Mireno & Maven Bentley)
  ここから2試合がCZWの年末恒例の『死の金網戦』。まずはザンディグ親
 分の最近のお気に入りであるクリス・キャッシュ率いるチーム・キャッシュと、
 黒人悪者ユニットのブラック・アウト軍との全面対抗戦からや。
 で、試合に先立って第1入場者(この試合は、各選手が90秒間隔で両チー
 ム交互に金網内へ入って来るってルール)のキングストンを帯同し、金網
 に現れたのはブラック・アウト軍の広報担当メイヴィンとマネージャ役のメリ
 ーノ。ノリノリの絶好調で、なんやかんやとマイクで憎まれ口を叩いていると、
 彼等の悪乗り加減にブチ切れ気味のザンディグ親分が現れて(今夜は出
 が多いな、それならキチンと試合もやってよ)、リング内に公認凶器として
 かれてあった有刺鉄線バットを手に両名を恫喝。哀れ、ザンディグ親分の
 力に恐れおののいたメイヴェンとメリーノ、2人して金網上に設置されてい
 高所足場へと逃げ場を求め、ここでザンディグ親分の指示によってチーム・
 キャッシュ側の第1入場者であるネイト・ウェブがリング・イン。この後、前述
 したように90秒間隔でサビアン、ベイレイ、エヴァンス、エディ、ラッカス、キ
 ャッシュの順で全8選手の入場が完了や。以下、ベイレイのブチ撒けた大
 の画鋲や、各サイズの梯子、パイプ椅子、金属製のゴミ箱などが散乱する
 金網の中で披露されたデンジャラス・スポットの数々を列挙いたしますワ。
 ◇サビアンがコーナー上から竜巻式のDDTをエディにお見舞い。
 ◇キャッシュによる、2本のロープを器用に渡り飛んで放たれた2・ステップ
  式のスプリング・ボード・ドロップキック。 
 ◇ラッカスが高所足場から月面水爆によるダイヴ攻撃をお見舞い。
 ◇テーブル上に寝かされたキングストンへ向かって、金網頂部よりベイレイ
  がフット・スタンプを投下。
 ◇金網頂部よりウェブが前転式のダイヴ攻撃をお見舞い。
 ◇ラッカスが力任せにウェブを投げ付けた事から、併設されたリング間を繋
  ぐ様に設置されていたコンパネが割れ、ウェブがリング下に落下。これが
  金網の外に出たと判断されて、ウェブが試合権利を喪失。
 ◇金網際での攻防から、キングストンがチーム・キャッシュの面々にボコボ
  コに殴られ、場外のテーブルへ落下(キングストン、試合の権利を喪失)。
 ◇エディ、頭から金属製のゴミ箱を被って金網頂部より月面水爆。
 ◇ラッカス、公認凶器の残骸で足の踏み場もないリングとリングの間にエ
  ィを叩き落し、これでエディが試合権利を喪失。
 ◇エヴァンス、金網頂部より捻りを加えた450をキャッシュに見舞うも、こ
  をキャッシュが寸でのところで回避したため、エヴァンスの頭部がリング
  に放置されたパイプ椅子の金属部分を直撃(これ、ゾッとしました)
 ◇金網頂部で攻防を繰り広げたキャッシュとエヴァンス。ここでミス・ムーヴ
  気味にエヴァンスが場外へ落下し、なんとエヴァンスがコンクリート床に
  頭部をしたたかぶつけて半失神の大アクシデントが勃発!。これ、ワシも
  思わずモニター画面の前で「アッ!!」って声を出してしまった程のシー
  で、対戦相手側のウェブが駆け付けたって事象だけ見ても、只事でなか
  た事がよく判りました。当然エヴァンスも試合の権利を喪失したんやけど、
  失くしたのが試合の権利で良かった。下手したら生きる権利まで喪失して
  いたところでっせ。※後遺症が出ないやろか。ホンマ、心配や。
 ◇キャッシュとサビアン、高所足場から場外のテーブルへ心中ダイヴ。これ
  もまた命懸けのスポットでした。
 これら以外にもデンジャラスなスポットは多々あったのですが、こうして気
 付けば金網内に残ったのは、チーム・キャッシュの番頭格に収まるベイレイ
 と、ブラック・アウト軍の大将格であるラッカス。しかしラッカスは乱戦に既
 疲れ果てていたのか、ベイレイ相手に攻撃を仕掛ける事もままなりまへん。
 で、高所足場上に試合開始前からずっと非難していたメイヴェンとメリーノ
 にベイレイが迫り、後生大事に抱きかかえるブラック・アウト軍所有のタッグ
 王者のベルト2本を強奪。アイアン・マン王座を失ったクリス・ヒーロー同様、
 ブラック・アウト軍も腰の辺りに隙間風が染みる年の瀬となりましたんや。
 あ、タッグ王者となったチーム・キャッシュの面々ですが、合計4人でどない
 してベルトを運営するんやろ。まさかこれを契機に4人タッグ王座に見直す
 って事でもないやろし、これは新年からはチーム・キャッシュの内紛劇へと
 CZWもシフト・チェンジするんやろか。
ACage Of Death Dual Dimension :
 The H8 Club
 (Justice Pain & The Wifebeater)(w/Big Mack Smack) vs.
 The H8 Club
 (Nate Hatred & "The Future of Hardcore" Nick Gage)
  CZWが2004年に開催した定期興行の最終試合。これは9月のPPV『H
 IGH STAKES』にて突如起こった現行H8クラヴ(ニック・ゲージ&ネイト・ヘ
 トリッド)とオリジナルH8クラヴ(『妻殴り』&『正義痛』)による、骨肉の屋号
 争いって抗争アングルに終止符を打つべく組まれた『死の金網戦』です。
 さてまず金網の中に歩を進めたのは『妻殴り』&『正義痛』によるオリジナ
 H8クラヴなんやけど、ふと金網の上部を見ると、先のチーム・キャッシュ対
 ブラック・アウト軍による『死の金網戦』の際に、ザンディグ親分に恫喝され
 て高所足場へと逃げ込んだブラック・アウト軍の広報担当のメイヴィンとマ
 ージャ役のメリーノがまだ居るんです。どうやら先の試合の最中に誰かに
 で高所足場へ繋がれたみたい(結局、『死の金網戦』を2試合連続で特等
 席から観戦出来たので、内心は彼等も嬉しかったかもね)ですワ。
 血で血を洗う荒れた展開となるであろう屋号争いを前に、これはちょっと笑
 える場面でした。で、ゲージとヘイトリッドによる現行H8クラヴが金網へと
 入ったところで運命のゴング。この試合、事前の予想通り、軽量級選手主
 体であった先のチーム・キャッシュ対ブラック・アウト軍による『死の金網戦』
 に比べ、重量感ある中型及び大型選手が顔を揃え、公認凶器(ってよりも
 とんど粗大ゴミ)で足の踏み場もない金網内でプロレス・ムーヴは殆ど廃さ
 れて殴る蹴るの乱戦が繰り広げられました。やはりCZWはこうでないとア
 カンってワシも小躍りしたのですが、そんな『場の空気』を読めず、キチンと
 出来もしない金網頂部からのダイヴ攻撃をしくじって客席から野次られた
 が『正義痛』。この人だけはどうにも身の程ってものを知りまへんなァ...。
 で、ガラス板上に傷口に染みる荒塩と、身体を効率的に傷だらけにするた
 めの画鋲を山盛りにしたトラップを現行H8クラヴの両人が手際よく作製。
 標的を『正義痛』に絞り、そろそろフィニッシュに向かうかと思われた途端、
 本年最後のダブル・クロス劇が!!。なんとこの土壇場でニック・ゲージが
 相方のネイト・ヘイトリッドを襲い、今まで各種公認凶器で殴り合っていたは
 ずの『正義痛』と結託。そのままヘイトリッドを合体パイル・ドライバーで沈め
 て、『正義痛』に勝利のフォール役をプレゼントですワ。また額をカチ割られ
 てフラフラ状態であった、オリジナルH8クラヴ所属の『妻殴り』。いまいちこ
 の状況が理解出来ない様子であったけど、『正義痛』とゲージに促されて
 即席の勝どきの輪に参加。でもやはり『正義痛』から三行半の非情な一撃
 をブチ込まれ、続いて『正義痛』とゲージからリンチまがいのタコ殴りに。
 あぁ、思えば2003年の年末興行の最終試合で行われた『死の金網戦』で
 は、ゲージはザンディグ率いる正規軍に属し、ヘイトリッドはメサイア率いる
 反逆軍HI−Vに属しており、試合の最終場面でヘイトリッドがメサイアをタ
 ル・クロスし、現行H8クラヴ再結成となったんやったなァ...。
 さてさて若手の活きのエエ選手の台頭、サンジェイのベルト奪還、新たなア
 イアン・マン王者となったBOY、IWSやPWGやチカラ・プロとの友好関係
 維持継続(正直、程度ものやけどね)、チーム・キャッシュの面々の躍進とC
 ZWにとっては嬉しい事ばかりに終わった2004年の年末興行。
 世界王座に就くメサイアの顕著な弱体化が悩みの種でしょうが、とりあえず
 大半の『抗争ネタ』にはハート・ウォームなピリオドも打たれ、反面H8クラヴ
 の屋号争いは両クラヴの内紛劇を引き起こして、新たな『抗争ネタ』として
 新年に持ち越し。こうして盛りだくさんの話題に満ち溢れたCZWの2004
 年は全日程が終了となりました。新年からの新たな展開に備え、選手も団
 体幹部にも束の間の休息の時間が訪れるはず。ここはしっかり英気を養っ
 て、2005年もワシらを楽しませてや!!。


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